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子どもひきずっていく母親

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 66

ある団地で目撃した、あまり気分のよくないできごとです。

3、4歳くらいの男の子が、もう10分近くも泣き続けています。母親に帰ろうといわれても、その男の子は、砂場と木馬でもっと遊びたいらしく、母親の手をふりきって、まだ遊ぼうとします。

すると、母親が、いきなり強硬手段にでました。子どものえり首のところをつかむや、泣きさけぶ子を引きずりはじめました。それも、5メートルや10メートルではなく、30メートルも50メートルも。首をつられたかっこうになりながら、そして、ずるずると足を引きずられながら、ますます、泣きさけぶ子。子どもに見向きもせず、まるで、撃ち殺した獲物を引きずって帰るようにして、無言で歩いて行く母親。この光景を目にして、唖然としたのは私だけではなかったようです。

この母親はきっと、いつも叱るか、きびしくいいつけるか、命令するかで、子どものしつけをやりつづけているのでしょう。母親の方から子どもに寄りそっていくことも、母親の方から子どもの声に耳をかたむけることも、まして、子どもの主体性を尊重することもなく、母親である自分好みの子どもをつくりあげることに陥ってしまっているかのようです。

しつけの主体は、あくまでも子どもであることを、よく考えてほしいものです。

投稿日:2008年01月15日(火) 09:48

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)