児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  おもしろ科学質問箱 >  静電気の親分はカミナリ ?

静電気の親分はカミナリ ?

「セーターをぬぐとき、どうしてパチパチするの ?」  おもしろ科学質問箱 3

どんな物(物質)も「原子」とよばれる小さな粒からできています。一つ一つの原子も、もっと小さな粒からできていて、その中にはプラスの電気をもった粒子(陽子)と、マイナスをもった粒子(電子)がたくさんあります。ほおっておくと、それらが平均してまじっているため、電気がないようにみえます。

ところが、毛糸のセーターの下に化学せんいの下着をきていると、それをぬぐとき、くっついてパチパチ音がします。こういう現象を科学では、セーターと下着が「帯電した」といいます。電気を帯びたという意味です。セルロイドの下敷きをわきの下に入れて引っぱったり、はっぽうスチロールを毛皮や絹の布などでこすったりしても、同じことがおきます。こんなふうに、ある物質を別の物質でこすったりしたときにできる電気のことを、静電気とか、マサツ電気といいます。

ふだんセーターは、陽子と電子を同じ数だけ持っているため、プラスとマイナスの電気がつりあっています。セーターをぬぐと、セーターの電子の一部が下着のほうに移るため、セーターの陽子が余ってしまいます。そのためセーターは、プラスの電気を帯びて、下着を引きつけます。それがセーターをぬぐことで、空気中に電気が無理やり通るために(これを「放電」といいます) 熱が出て、その熱が空気をふくらませて、パチパチ音がするのです。これを暗いところでやってみると、パチパチ光るのがわかります。静電気(マサツ電気)は火花だからです。

カミナリも、セーターにくっついた下着を無理やり引き離したときに起きる放電の規模を、とてつもなく大きくしたようなものです。雲と雲や、雲と地面の間で帯電する現象で、放電の光が稲妻(イナビカリ)で、パチパチする音がカミナリのゴロゴロです。

なお、静電気というのは、文字通り静止している電気です。針金を通してつたわる電気は動いている電気で、これは「電流」といって区別しています。

幼い子からの表記の疑問に対する回答は、「マサツ電気というのがおきたの」 という程度でよいのではないでしょうか。

投稿日:2008年01月11日(金) 09:59

 <  前の記事 明治期の政治家・早稲田大学の創始者 大隈重信  |  トップページ  |  次の記事 子どもひきずっていく母親  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/1168

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)