「どうして、ナマズは地震が起こる前にわかるの?」 おもしろ科学質問箱 2
5歳の孫を、親のピンチヒッターで幼稚園へ車で送っていくことがよくあります。大通りに大きなナマズの絵がかかっていて、「この道路は震度5以上の地震の際には、通行止めになることがあります」 と書いてあります。ナマズが地震を予知することができると、親から聞いていたからなのでしょう。そのため、上記の質問を私にぶつけてきました。
昔は、地震がどうしておこるかわからなくて、大きなナマズが地下で暴れるためにおこると考えていたらしい。今から300年も前の江戸時代に描かれたマンガには、江戸の市民が大勢で地震をおこしたナマズをやっつけているのがある。だから、地震のことを知らせるには、ナマズの絵を見せれば、みんなが注目してくれるから、あんな看板を立てているだと思う。
昔とちがって今は、どうして地震がおきるかわかってきた。
地球の中は、半分かたまりかけたゆで卵のようになっていて、卵のからが地殻っていうかたい岩石になっているところ、白身にあたるところがマントルといって、ゆっくり動いている岩石、黄身のところはコアといってドロドロに溶けた鉄があるらしい。地球は、ゆで卵のように割ってみるわけにはいかないから、科学者たちは地震の波を調べて、地球の中のようすを調べるんだ。卵のからにあたる地殻にも、弱いところと強いところがあって、下から押し上げる強い力にたえきれなくなって、こわれたり、われ目ができたり、上下にずれたりする。これを断層っていうんだけど、この断層ができるときに振動がおきて、この振動が地震なんだ。
ナマズというのは、他の魚にない特別な能力をもっているみたいで、地震のおこる前にナマズがさわぎだしたという話があちこちに伝わっている。地震のおきる前に、強い電磁波というのがあらわれるそうで、その電磁波に敏感なナマズは早く察知してあばれだすそうで、その感覚の鋭さは人間や他の魚の100万倍もあるという。でも、どんな地震でも予知するというわけではなくて、これからいろいろ研究していかなくてはいけないそうだよ。
こんな回答をしましたが、わかってくれたのか、ナマズの看板を見るたびに地震のことが話題になります。