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どんなときも 「君ならできる」 と語りかける

こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 63

近所に、いつも明るく、どんなことにも積極的な2人の子どもがいます。

この子たちの母親が、同世代の子どもをもつ母親とおしゃべりしているのが聞こえてきました。「お宅のお子さんたちは、よくしつけられてうらやましいわ。何か秘訣があるんじゃない。教えてくださらないかしら」 と相手の母親。

「秘訣なんて別にないわ。強いて言えば、子どもに“こうやれ” “こうしろ” と言うのではなく、“毅(兄)ならできる” “由佳(妹)ならできる” と言うようにしていることくらいかしら」
たとえば、学校のテストで悪い成績をとってきたときは 「だめじゃないの、もっとしっかり勉強しなさい」 と叱るのではなく 「毅なら、やればできる、今度がんばってごらん」 と言って励まし、家でちょっとむりかなと思うようなことを言いつけるときは 「由佳なら、きっとできるよ。やってみてごらん」  子どもが、おかしなことをしたときは 「毅は、そんなことはしないと信じてたんだけどなあ、こんどは、ちゃんとやれるよね」 などと声をかけるというのです。

子どもに対して 「偉くなれ」 と言うよりも 「お前は偉くなれる」 と言って導け──ということが以前から言われていますが、この母親は、それを自然のうちに実践してきたにちがいありません。 「毅なら、やればできる」 「由佳なら、きっとできるよ」 という語りかけの中には、子どもへのあたたかい信頼があります。

わが子が人前でちゃんとしたあいさつができなかったとき、多くの母親は 「どうして、あいさつもできなかったの」 というとがめ方をします。しかし これを 「ほんとうは、ちゃんとできるのに、今日はちょっと失敗したのよね」 と言ってやったらどうでしょう。子ども自身に 「この次はきちんとやろう」 という気を起こさせます。こんなさりげない子どもへの信頼が、良い方向へ導く基本のように思うのです。

投稿日:2007年12月18日(火) 09:51

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)