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落ち葉は 「木の冬眠」 ?

「落ち葉する木と、落ち葉しない木があるのはどうして ?」  おもしろ科学質問箱 1

晩秋になると、落ち葉する木がたくさんあります。イチョウの黄色い葉、カエデやツタの赤い葉、ケヤキやブナなどのオレンジから茶色の葉、色とりどりの葉がとてもきれいです。でも、マツやモミ、スギやツバキなどは、一年中緑色のままです。
木の種類には大きく2つの種類にわかれていて、紅葉する木を「落葉樹」、紅葉しない木を「常緑樹」(一年中緑色の木)というふうに分類しています。

紅葉する前は、どの木も緑色をしています。緑といっても、うす緑も、濃い緑、黄緑とかいろいろですが、どれも緑色でした。どうして緑色なのかというと、植物には「葉緑素」というのがあるからです。この葉緑素という緑色の成分が葉っぱの2/3を占めていて、からだを作る大事な栄養や食べ物をつくりだしてくれます。太陽の光、空気の中にある二酸化炭素、根から吸い上げた水と、葉緑素がいっしょになって「光合成」ということをやってくれるおかげです。

ところが、秋が深まると太陽の光が弱くなり、気温が低いために根が水分を吸い上げにくくなって、栄養や食べ物が作り出しにくくなります。そのため葉緑素も分解されてなくなってしまいます。すると、葉緑素の緑にかくれていたほかの色素が姿をみせます。たとえば、イチョウはキサントフィルという色素のために黄色になり、カエデはアントシアニンという色素が表にあらわれるため、赤くみえるのだそうです。

そして、紅葉した葉はやがて落ちます。葉を落とすことによって、冬ごもりの準備をするのです。動物でも食べ物が得られにくくなる冬に、ヘビやカエル、リスやヤマメ、クマが穴を掘って冬眠するように、落葉樹も冬にそなえて冬眠するといってもよいのかもしれません。

いっぽう、常緑樹の葉がいつまでも落ちないわけではありません。1年を通じて葉が少しずつ落ちて、また新しい葉ができるため、一年中いつも緑色でいられるわけです。

投稿日:2007年12月12日(水) 11:52

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コメント (1)

ヘンリーおじさん:

エデイさん、
いつも楽しいお話、ありがとうございます。
私共の髪の毛にも2種類あるようですね。
いつまでも若々しく生えている人と、私みたいに
薄くなってしまう人です。
だとすると、私はもみじタイプなのでしょうか。
すでに冬眠に入っているのでしょうか。
このように照らし合わせて考えてみると、どんな
話題も楽しいですね。

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)