こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 62
子どもがうそをつき始めるのは、理由はともかく、「ほんとうのことを知られると、もう、いい子と思ってもらえない。もう、かわいがってもらえない」 と考えるからです。うそをつき始めた子どもへの対処には、このことを十分知っておかなければなりません。「うそをついた」 という、その事実だけを問題にして 「なぜうそをついたの」 という叱り方をすれば、子どもは 「うそをついたら叱られる」 という思いといっしょに 「これからは、ばれないようにしよう」 「ばれさえしなければ、かまわない」 と考えるようになってしまいます。そして、うそをつくことの上手な子になってしまいます。
そこで、親にとって大切なことは、「うそをついてまで、よい子になろうとするよりも、どんなときも、どんなことも、ほんとうのことを伝えてくれるほうがうれしい」 ということを、子どもにしっかり理解させるようにすることです。失敗したことでも、間違ったことをしてしまっても、それをうそでかくすよりも 「ほんとうのことを正直に言った方が、親は自分を信用してくれる」 ということがわかれば、子どもはうそをつくことをやめます。「うそをつく」 ことのつまらなさに気づくからです。
どんな子だって、失敗はするもの。どんなにいっしょうけんめいにがんばっても、だめなことがあるものです。親は、それをあたたかく認めてやりながら導いていく。親にこんなゆとりがあれば、子どもは、親に対してうそなどつかなくなるばかりか、困ったときは、親に相談をもちかける子になってくれるはずです。