こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 57
さまざまな遊び場を設けた 「子どもサークル」 でのことです。
積木の遊び場で、2組の親子が木の積木をいろいろな形に積んだり並べたりして遊んでいました。
一方の母親が言いました。「せっかく、大きなおうちを作ったのに、どうしてすぐこわしてしまうの? もう、つくってあげませんからね」 と言って積木遊びをやめてしまいました。
もう一方の母親は、子どもがどんなにこわしても、やめようとはしません。それどころか、母親もわざとこわしたりして 「さあ、今度は何をつくろうか」 「何がいいかなあ」 などと語りかけながら、子どもといっしょに 「うわー、東京タワーだ」 「大きな船だ」 「積木かいじゅうだ」 などと遊び続けました。
おそらく、すぐやめてしまった母親の方は、「子どもと遊んでやる」 ことしか知らず、子どもがこわしてはつくり、こわしてはつくりすることの大切な意味に気づいていなかったのでしょう。いつまでも遊び続けた母親の方は、それをちゃんと知っていたのです。「子どもと遊んでやる」 のではなく 「子どもといっしょに遊ぶ」 ということも。
家庭でどんなにりっぱな積木を買い与えても 「せっかくつくったのに、こわしちゃだめじゃないの」 ではダメなことを知っておきたいものです。