こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 55
「この次来たとき買ってあげますからね」 「今度のお誕生日に買ってあげますからね」 「今度パパと来たときにしましょうね」。
子どもを連れた買い物で、「あれが欲しい」 という子に、このような言葉でその場をのがれようとする母親の姿を見かけることがよくあります。しかし、この 「この次」 は、どれくらい実現しているのでしょうか。
子どもの方も、1、2か月もたてば忘れてしまって、そのままになってしまうことが多いかもしれません。そのときは、それで済んだとしても、こうしたできごとが頻発すると、子どもから大切なものを奪い取ってしまう結果になりかねないということも、知っておきたいものです。
それは、子どもから、未来を取ってしまうということです。子どもは、いつも、明日を楽しみにしながら、つまり、未来を楽しみにしながら生きています。明日の楽しみがなかったら、子どもの心は、しぼんでしまいます。
したがって 「この次ね」 と言ったことは、出来る限り果たしてやるように心がけましょう。もし、子どもの方が忘れていても、親の方から 「この前の約束だから今日は買ってあげましょうね」 と、約束を果すことです。「どうせ、ママの言うことなんか、あてにならないんだから……」と、親をも信用しなくなってしまったら、ほんとうに、とりかえしがつきません。