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「この次ね」 にご用心

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 55

「この次来たとき買ってあげますからね」 「今度のお誕生日に買ってあげますからね」 「今度パパと来たときにしましょうね」。
子どもを連れた買い物で、「あれが欲しい」 という子に、このような言葉でその場をのがれようとする母親の姿を見かけることがよくあります。しかし、この 「この次」 は、どれくらい実現しているのでしょうか。

子どもの方も、1、2か月もたてば忘れてしまって、そのままになってしまうことが多いかもしれません。そのときは、それで済んだとしても、こうしたできごとが頻発すると、子どもから大切なものを奪い取ってしまう結果になりかねないということも、知っておきたいものです。
それは、子どもから、未来を取ってしまうということです。子どもは、いつも、明日を楽しみにしながら、つまり、未来を楽しみにしながら生きています。明日の楽しみがなかったら、子どもの心は、しぼんでしまいます。

したがって 「この次ね」 と言ったことは、出来る限り果たしてやるように心がけましょう。もし、子どもの方が忘れていても、親の方から 「この前の約束だから今日は買ってあげましょうね」 と、約束を果すことです。「どうせ、ママの言うことなんか、あてにならないんだから……」と、親をも信用しなくなってしまったら、ほんとうに、とりかえしがつきません。

投稿日:2007年10月15日(月) 09:16

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)