私の趣味は何かと聞かれれば、名画・名曲鑑賞、作曲(といってもギターで和音を弾きながらメロディをこしらえる程度)および読書といってよいでしょう。
名画の鑑賞は、高校も大学も自宅から上野を経由したこともあり、上野公園にある国立西洋美術館にはよくでかけたものでした。美術館の庭には、ロダンの代表作「考える人」「地獄の門」「カレーの市民」などが飾られ、展示室にあるたくさんの作品を含めロダンの彫刻作品はとても充実しているように思いました。しかし、絵画ではルノアール、モネ、クールベ、マネ、ゴッホ、ドラクロアら著名画家の作品もありましたが、ほとんどが小品でしたので、強く魅かれる絵というものは、あまり多くありませんでした。
名画鑑賞にめざめたのは、ちょうど20年前の1987年、はじめてロンドン、ローマ、マドリッドを訪れた時でした。ロンドンではほとんど時間がとれず、ナショナル・ギャラリーも大英博物館も見ることはできませんでしたが、ローマの「バチカン美術館」で延々と2キロも続くとてつもない規模の美の回廊と「シスチナの礼拝堂」であのミケランジェロの天井画・壁画の大作に出合って度肝をぬかれたこと、マドリッドの「プラド美術館」で、ベラスケスの「ラス・メニーナス」やゴヤの「裸のマヤ」「着衣のマヤ」などに出あって、強烈なインパクトを受けて以来といえるかもしれません。
そこで、これからしばらく毎週1回程度、「私の好きな名画・気になる名画」 というテーマで、1点を紹介していきたいと思います。絵画鑑賞は出会ったときの印象が大事で、あまり絵の背景とか絵をどう解釈するかといった事柄は不要だという人たちがいます。でも、私の名画鑑賞がどんどん高じてきたのは、絵の背景を知ることによっていっそう深まってきたといって過言ではありません。そんな点をお含みの上、おつきあいをいただければ幸いです。
なお、名画の画像の多くは、ネットの「サルバスタイル美術館」にリンクさせてもらう予定です。