こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 42
ワンワン(いぬ)、トット(さかな、にわとり)、ニャーニャー(ねこ)、ブーブー(自動車)、カンカン(髪)、オンモ(表=家の外)、タッチ(立つ)など、幼児語と呼ばれる言葉があります。幼児が話しはじめるころ使うもので、幼児の発達段階上、特別なことではありません。
しかし、幼稚園に入るようになっても、あるいは小学校入学の時期が迫っても、この幼児語がぬけないのでは困ります。なおすことを考えた方がいいでしょう。それは、子どもの自立認識にもつながるからです。
では、幼児語を卒業させるにはどうしたらよいか。それは、幼児語がでてくるたびに叱ったり、制止したりするのではなく、会話の中で母親が言いかえてやることです。子どもが 「ニャーニャーがいるよ」 と言ったら、「ニャーニャー、あ、ねこがいるわね、かわいいねこね」 と答えてやる。「ブーブーがいっぱい」 と言ったら、「ほんと、自動車がいっぱいね」 と答えてやる。
このような言いかえを続ければ、自然に、自分の力と判断で正しい言葉へ入っていきます。幼児は常に母親を信頼し、母親をまねようとするからです。
ほかの言葉についてもこのことが言えます。子どもはテレビ等から仕入れた、おかしな言葉をたくさん使います。やっぱ (やっぱり)、すごい(すごく) きれい、などもそうです。こんなときも、母親が正しい使い方をしてみせることです。
このほか、美しい言葉遣い、やさしい言葉遣いもそうです。気どる必要も、飾る必要もありませんが、いつも身近にいる母親の言葉遣いが子どもの心の成長に大きな影響をもつことを忘れてはなりません。