こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 39
子どもが小学校へあがったりすると、多くの母親は「さあ、これからは、しつけもきびしくしなくては」とひそかに決意します。そして、これはいけません、あれはいけません。ああしなさい、こうしなさいと言いはじめます。物事の良し悪しやすべきことが、ある程度わかりはじめたから、というわけなのでしょう。
でも、「成長」ということに即して考えて見ますと、これは逆ではないでしょうか。子どもがまだ何もわからない幼児期には、かなりきびしいしつけが大切ですが、年齢がすすんでいけばいくほど、親がああしなさい、こうしなさいといった命令口調はむしろゆるめていくべきです。なぜなら、子どもは年とともに、自分で考える力、自分で判断する力がついてきているのですから。
あまりにきびしくすると、あげくの果ては「うるさい母親だな」と子どもにきらわれたり、反発されることになってしまいます。むしろ、学校へ行くようになったら、うるさいしつけから開放してあげたいもの。口を閉じるかわりに耳を傾け、子どもの話に心を開くことです。そして、自然のうちに、自分で考える力、判断する力を、子ども自身ではぐくませることです。
子どもが自分で自分をしつけていく、これこそ理想的、親もまた楽でいいと思いませんか。もちろん、幼児期のしつけがしっかりできていることが前提ですが……。