昨年、給食費の不払いが話題になっていた頃、[義務教育なのだから、給食費なんて払わなくてあたりまえ] とか、[給食費を払っているのだから「いただきます」や「ごちそうさま」をいわせるのはおかしい] という人たちがいることを知って、ビックリしたことを記憶しています。ところが、幼稚園や保育園、小中学校の教師らに、親からつきつけられる身勝手な要求がますますエスカレートしているという最近の報道には、あきれるというより腹がたってしまうのは私だけではないでしょう。
●子どもが1つのおもちゃを取り合ってけんかになるから、そんなおもちゃはおかないでほしい ●行事の集合写真でウチの子が真ん中に写っていないのはなぜだ ●石をぶつけて教室のガラスを割ったのは、そんな石を置く学校が悪い ●ピアノの技能は家の子が一番なのに、へたな子が合唱の伴奏をするのはなぜだ ●家は共稼ぎなのだから、インフルエンザにかかったわが子を学校の保育室で看るべきだ ●家の子は自宅で掃除をさせていないので、学校でもさせないでほしい ●学力不足の中学生に小学生の問題を解かせると「子どものプライドが傷つけられた」と抗議 ●授業中にメールをしている生徒の携帯電話を取り上げた教師に「取り上げた時間分の電話代を支払ってほしい」 ●他の子を殴ったので注意すると「家ではやられたらやり返せと普段からいっている」と開きなおる親
「三歩下がって師の影を踏まず」とか「師は針のごとく弟子は糸のごとく」というような弟子は師を敬い、どんな時も礼を逸してはならないと教えたことわざは、とうに遺物となってしまいましたが、日本人の美徳とされたはずの「そんなことをすると世間様に笑われる」といった恥の文化まで廃れてしまうのはなんとも情けない風潮だと思います。
そして、そんな理不尽な親に手を焼く教師や教室を守るために、学校や教育委員会は、クレームに対応する専門職員をおいたり、弁護士に相談できる制度をスタートさせるそうです。これらもすべて税金が使われることを知っておかなくてはなりません。