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親から教師につきつける身勝手な要求

昨年、給食費の不払いが話題になっていた頃、[義務教育なのだから、給食費なんて払わなくてあたりまえ] とか、[給食費を払っているのだから「いただきます」や「ごちそうさま」をいわせるのはおかしい] という人たちがいることを知って、ビックリしたことを記憶しています。ところが、幼稚園や保育園、小中学校の教師らに、親からつきつけられる身勝手な要求がますますエスカレートしているという最近の報道には、あきれるというより腹がたってしまうのは私だけではないでしょう。

●子どもが1つのおもちゃを取り合ってけんかになるから、そんなおもちゃはおかないでほしい ●行事の集合写真でウチの子が真ん中に写っていないのはなぜだ ●石をぶつけて教室のガラスを割ったのは、そんな石を置く学校が悪い ●ピアノの技能は家の子が一番なのに、へたな子が合唱の伴奏をするのはなぜだ ●家は共稼ぎなのだから、インフルエンザにかかったわが子を学校の保育室で看るべきだ ●家の子は自宅で掃除をさせていないので、学校でもさせないでほしい ●学力不足の中学生に小学生の問題を解かせると「子どものプライドが傷つけられた」と抗議 ●授業中にメールをしている生徒の携帯電話を取り上げた教師に「取り上げた時間分の電話代を支払ってほしい」 ●他の子を殴ったので注意すると「家ではやられたらやり返せと普段からいっている」と開きなおる親

「三歩下がって師の影を踏まず」とか「師は針のごとく弟子は糸のごとく」というような弟子は師を敬い、どんな時も礼を逸してはならないと教えたことわざは、とうに遺物となってしまいましたが、日本人の美徳とされたはずの「そんなことをすると世間様に笑われる」といった恥の文化まで廃れてしまうのはなんとも情けない風潮だと思います。
そして、そんな理不尽な親に手を焼く教師や教室を守るために、学校や教育委員会は、クレームに対応する専門職員をおいたり、弁護士に相談できる制度をスタートさせるそうです。これらもすべて税金が使われることを知っておかなくてはなりません。

投稿日:2007年06月22日(金) 10:08

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)