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ヘンリーおじさんのSNSが面白い!

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当ブログで何回か紹介させてもらっている「ヘンリーおじさん」ですが、9月10日にホームページをリニューアルしたのを機に、「ヘンリーおじさんのSNS」がスタートしました。ミクシィのSNSなどと違って、会員の紹介がなくても、簡単に参加できることもあって、いっきに人気が上昇しています。特に、注目されているのは、毎週ヘンリーおじさんから出題される「これを英語で何というのでしょう」というコーナーです。「この出題に関しては、最優秀賞の方(1名)に、ヘンリーおじさんの新刊「子育て英語力検定」のプレゼントがあります」というアナウンスがあったせいか、10月1日に出題された、次の質問には、数十人の人が回答を寄せています。

「トイレに入っていて、誰かがトントンとドアを叩きました。「入ってます」とは、英語で何ていいますか?」という質問に対し、皆さんなら、何ていいますか?

出題されてから4日程度で締め切られますが、1日前に、ヘンリーおじさんから途中経過のコメントが入りました。

これは、我ながら、良い質問を考えたな〜と、私もニンマリしたくなるほど、皆さんからのコメントが寄せられていますね! これには感激です。
ひとつ、情報をさし上げましょうか? 実は、これだ!!と叫びたくなるほどのご回答は、まだ来てません。ショックでしょうか?
いや、それほど、この問題は奥が深いのですね。もちろん、私なりの「答え」は、しっかりと持っています。シンプルで、誰でも言いそうなことなのですが。。。不思議と、まだどなたからも出てません。
トイレに入って、閉まっているドアを眺めながら、「いまトントンとやられたら、何ていうかな〜。。。。?」
家族の皆さんに迷惑にならない程度に時間をかけて、考えてみてください。締め切りまで、あと24時間ほどです。まだ、間に合います。

そして、ヘンリーおじさんからの最終的な回答は次の通りです。

皆様、お疲れ様でした。もうトイレから出ていらしてください!
お陰さまで、たくさんの書き込みをいただきました。これは、世界記録とは行きませんが、トイレの話で、大の大人がこれだけ燃えたのは、大変なものでした! いろいろな表現が出ましたが、私なりのコメントを書かせてください。

1.普通は、何も言わないで、ノックされたら、ノックを返すのが普通だと思います。Sheltieさんと、yam さんの意見もそうでしたね。

2.次の表現は印象に残りました:
―ちゃむすけさん: Yes! と、叫ぶ。Excuse me. (すみません)
―mana さん: Please don’t rush me! (せかさないで!)
―マミーゴさん: 台湾のトイレットレストランの写真、ありがとうございました!
―kumikoさん: Can’t you see my legs? (私の足が見えないの?)
 [解説:アメリカの公衆トイレのドアは防犯のために、ドアのした約30センチほど空いてます。ですからノックをすることもなく、分かるのですね]

3.ユーモアに溢れた作品(?)もありました:
―すずさん: Excuse me..This toilet does not flush…It’s okay?  (あの〜、このトイレは流れないんだけど。。。いいのですか?)
―マミーゴさん: Who’s there? (どなた?)
―yumikoさん: Who are you? (あんた、誰?)
―ゆきんこさん: Be quiet! (静かに!) Leave me alone! (ほっといて!)
―ゆうかさん: Come in! (お入り!) ご主人は優しい方ですね!
―たかちんさん: One second. (ちょっとだけ、まって) [これだと、すぐに出て来ると、外で立って待たれてしまわれそう]

          *    *    *

さて、優秀作品の発表です!
コロちゃんの、Sorry! (#51の書き込みでした)
解説: 「あとびっくりして Sorry! って謝っちゃうかも」と、書いてらっしゃいましたね。
私は、自分なら一言で Sorry! がいいだろうなと、考えておりました。
一言の Sorry! だと、いろいろな意味に取れます。現に、Alex さんは、Sorry! Use another one. (ごめん。他のを使って)と書いてました。同時に、ちゃむすけさんも、Sorry! We can’t share! (ごめん。シェアする訳にはいかない!)
シンプルで意味が通じる最低限の表現だと、このSorry! の一言が無難であると思います。でも、Alexさんと、ちゃむすけさん、お二人の表現は賞に値するものでしたよ。

そういう訳で、今回はコロちゃんが優勝です。おめでとうございました!
オリンピックでいえば、コロちゃんが金メダル、Alex さんと、ちゃむすけさんが銀メダル、そしてその他の皆さん全員で銅メダルとなりました。

次回のコンテストで、またの参加をお願いいたします。

いかがでしたか。実に明快だと思われませんか。
45年ほど前、私がまだ高校3年の頃、カッパブックスから「英語に強くなる本」が刊行され、150万部のベストセラーになりました。今でもしっかり記憶していますが、全く同じ問いに対して、著者の岩田一男氏(一橋大学教授)は、正解を Someone in. として、次のような解説をしていました。(こういう内容は、学校の教科書にはのっていないかもしれません。けれど、I am in. ではこっけいです。「だれかがいます」というように、相手と面とむかわぬうちは、3人称でいうのです)と記しています。

これに対して、ヘンリーおじさんの回答はじつに簡潔明瞭で、うれしくなってしまいます。
Sorry. というのはまことに便利な言葉であることを改めて実感しました。というのも以前、ペンギンブックスから来社された女性が、何か聞き取れなかったとき、Sorry? と、まことにさりげなく話すのを聞いて以来、これまで使っていた Parden? から Sorry? に、変えたからでもあります。

このように、会話を実にシンプルな表現で教えてくれるヘンリーおじさんは、日本人の英語ベタを、根本的なところから矯正してくれる救世主となってくれることでしょう。ぜひ、SNSに登録されることをお勧めいたします。

投稿日:2007年10月11日(木) 09:17

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)