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子どもの隠しだては親の対応のまずさが原因

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 37

小学校の2、3年生にもなると、かなりの割合の子どもが、失敗したことや叱られそうなことは、親に報告しないようになります。また、かりに報告しても、適当にうそをついて自分を守るようになります。たとえば、悪い点数のテストはかくして、よい点数のものだけを親に見せるというのが、その典型的な例です。
さて、わが子の、このような行ないを発見した親の多くは 「なぜ、こんなことをするの。叱ったりしないから、かくし事をしてはだめよ」 と、いましめます。ところが実は、それまで叱ってきたからこそ、子どもはかくし事をするようになったのです。
どんな子どもだって失敗します。たいていの子どもが、ときにはテストで悪い点数をとります。元気な男の子なら、ときには遊びすぎて、家へもどるのがおそくなってしまいます。
しかしこんなとき、けっして頭ごなしに叱らないこと。悪い結果だからといって、ただそれだけで叱るのではなく、まず、子どもの言い分に十分に耳をかたむけて、なぜそうなったのかを、子どもといっしょに考えてやるようにすることです。つまり、叱るまえに理解してやることです。そしてその次に、どんなにささいなことでも、本当のことを打ち明けたときは、ほめるようにしていくことです。
子どものどんな失敗にも、言葉を荒らげずに、やさしく耳をかたむけてやることは、なかなかできることではありません。けれども、少なくとも、子どもの失敗を知って開口一番 「どうしてそんなことを」 と問いつめるのをやめるだけでも、まず効果があります。
とにかく、わが子がかくしだてをするのは、子どもが悪いのではなく、親の対応のしかたがへたなのだということを、肝に銘じておくことです。

投稿日:2007年06月11日(月) 08:54

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)