児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  心の子育て論 >  しつけ糸は子ども自身にとらせる

しつけ糸は子ども自身にとらせる

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 36

「ちゃんとしつけたはずなのに」 「しつけだけはきびしくしたつもりなのに」……わが子が思いがけないことをしでかしてしまった親の口から、よくこんな言葉を聞かされます。
しかし、よく聞いてみると、しつけのはきちがえが少なくないようです。
しつけという言葉は 「着物を縫うとき縫い目がくるわないように、仮に、糸であらく縫っておく」 という 「しつけ」 から生まれたものとされています。このことからも明らかなように、しつけは、子どもを、がんじがらめにしてしまうものではありません。ところが 「きびしく、しつけたつもりなのに」 というしつけ方には、がんじがらめのにおいがします。
また、着物を縫うときのしつけ糸は、必ずあとで、きれいにとってしまうものなのに、そのことが忘れられてしまっているように思われます。
たしかにしつけとは、ちゃんとしたことを身につけさせるために、子どもにしつけ糸をほどこしていくものです。しかし、そのしつけ糸は、とってしまうものだということ、もっとうがった言い方をすれば、しつけ糸を早くとってしまうために、しつけていくのだ、ということを忘れてはなりません。
しかも、はじめのしつけ糸は親がつけてやったとしても、そのしつけ糸をとる作業は、子ども自身に、子ども自身の力と判断でやらせたいものです。
ところが 「きびしくしたつもり」 の親を見ると、この、しつけ糸を子ども自身にとらせることを忘れてしまっています。しつけられる子どもは人格のある人間であるということを肝に銘じておくことが、何よりも大切でしょう。

投稿日:2007年06月06日(水) 08:57

 <  前の記事 ワールド図書館(27)「メキシコ」巻末解説  |  トップページ  |  次の記事 ワールド図書館(28)「中央アメリカ」 巻末解説  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/880

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)