こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」35
お母さんが子どもにぶつける言葉のなかで、[わかっちゃいるけどやめられない] 言葉の代表は 「どうして?」 です。
どうしてそんなことをするの? どうしてわからないの? どうしていうことをきいてくれないの? どうして勉強しないの? どうしていたずらばかりするの? どうしてそんなにのろまなの? あげたら、きりがないほどです。
しかし、考えてみると、これはちょっとおかしな言葉です。子どもは 「どうして?」 と言われても、たいていの場合、それは悪いと承知してやったのではなく、自分の思ったとおりにやったにすぎないのですから。
いたずらをして、親から 「どうして?」 と問いつめられても、子どもは困ってしまいます。子どもは、おもしろそうだから、それをしたにすぎないのですから。
この 「どうして?」 を、何千回くり返しても、効き目はありません。それは、この言葉が、みちびきではなく、あくまでも問いつめにすぎないからです。問いつめは、子どもを無口にすることはあっても、心を解放させることはありません。
「どうして?」 と言いたくなったら、それをぐっとのみこんで、たとえば 「○○ちゃんは、ほんとにいたずらっ子ね。あんなことするの、そんなに、おもしろい? どんなところがおもしろいかなあ」 「あら、けんかしたの、どんなことで、けんかになったの?」 などと語りかけることです。そうすれば、子どもは必ず心をひらいて、自分の思いや事のいきさつを、すなおに話してくれます。親は、そのあとで再び語りかけるようにして、子ども自身に正しいことを判断させながら、みちびいてやりたいものです。