こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」31
● 幼児期からけじめのある生活を心がける
計画性のある子どもと、なにごとにも行き当たりばったりの子ども。子どもを、このどちらかにするのは、家庭における親の態度、とくに、母親の生活態度によるものが、たいへん大きいと思われます。子どもの性格によるものではありません。母親がしてみせる生活習慣から生まれ育っていくものです。
こんな例があります。ある母親は、子どもを連れて町へ出ると、いつも、あらかじめ計画して行動することは少なかった。計画をたてておいても、出先で気分が変わると、あっちへ行ってみましょう、こっちへ行ってみましょう、と子どもをひっぱりまわした。したがって、時間の使い方も無計画になり、子どもとの 「家へ帰ってからしてあげる」 という約束を破ることもいつものことだった。すると、やがてその子は、ひとりでお使いに行くようになったとき、あるいは友だちのところへ遊びに行くようになったとき、きちんとした時間に帰ってこないようになってしまった。そして、朝、計画しておいたことさえ、いつも守らないようになってしまった──というのです。
これとは全く逆に、母親は買物に行くときも、あらかじめ買物のメモを用意するなど、日常の生活を計画的に行動し、わが子には、いつも 「自分で計画をたててごらん」 と言い聞かせて、しぜんに、子どもに計画性を身につけさせたという例も多くあります。
子どもの計画性は、幼児期から、しぜんに育てていくことです。これを怠っておいて、子どもが学校へあがってから、さあ計画的に勉強をといっても、それは、むりなこと。計画性の乏しい子どもは、主体性も自分の行動への責任感も乏しいのですから。