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のみこみの悪い子にしないために

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 26

● やさしく深い語りかけを心がける

幼稚園や学校へ行くようになって、先生のいうことを、なかなか理解しない子がいます。むずかしいことではないのに、のみこみの悪い子がいます。そして、その結果、けっして能力は低くはないのに成績のよくない子がいます。

こんな子は、家庭で小さいときから、同じことをなんどでもくり返して言い聞かせられながら育ってきたと思われます。子どもが納得するように心をこめて語りかけてやらずに、口先だけで語りかけ、そのかわり子どもには、いうことをきかなかったら何度でも、くどくど言い聞かせられる習慣がつけられたに違いありません。また、くり返し口やかましくいうばかりか、子どものいろいろなことに必要以上に世話をやき、けっきょく最後はだれかが手助けしてやってくれるという考えを、子どもにうえつけさせたのでしょう。

子どもは、親のくり返しのいいつけやいい聞かせになれるうちに、人のいうことを集中して聞かない子に、人のいうことをいいかげんに聞く子に、また、何度もなんども言い聞かせたあげく、さいごは 「しなさい」 ときびしく命令されないとものごとを実行しない子になってしまったのです。そして、先生のいうことをいつもいいかげんに聞くくせがつき、成績の伸びない、先生のいいつけをなかなか守らない、先生の話をつい聞き流して忘れものの多い子にもなってしまったのでしょう。

この子は、どうしていつも先生に注意されるのだろう、と親をなげかせる子になってしまってからでは手遅れです。とにかく幼いときから、いちどでわかるような、やさしく深い語りかけをしてあげること、これがいちばんです。

投稿日:2007年03月06日(火) 09:50

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)