こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 26
● やさしく深い語りかけを心がける
幼稚園や学校へ行くようになって、先生のいうことを、なかなか理解しない子がいます。むずかしいことではないのに、のみこみの悪い子がいます。そして、その結果、けっして能力は低くはないのに成績のよくない子がいます。
こんな子は、家庭で小さいときから、同じことをなんどでもくり返して言い聞かせられながら育ってきたと思われます。子どもが納得するように心をこめて語りかけてやらずに、口先だけで語りかけ、そのかわり子どもには、いうことをきかなかったら何度でも、くどくど言い聞かせられる習慣がつけられたに違いありません。また、くり返し口やかましくいうばかりか、子どものいろいろなことに必要以上に世話をやき、けっきょく最後はだれかが手助けしてやってくれるという考えを、子どもにうえつけさせたのでしょう。
子どもは、親のくり返しのいいつけやいい聞かせになれるうちに、人のいうことを集中して聞かない子に、人のいうことをいいかげんに聞く子に、また、何度もなんども言い聞かせたあげく、さいごは 「しなさい」 ときびしく命令されないとものごとを実行しない子になってしまったのです。そして、先生のいうことをいつもいいかげんに聞くくせがつき、成績の伸びない、先生のいいつけをなかなか守らない、先生の話をつい聞き流して忘れものの多い子にもなってしまったのでしょう。
この子は、どうしていつも先生に注意されるのだろう、と親をなげかせる子になってしまってからでは手遅れです。とにかく幼いときから、いちどでわかるような、やさしく深い語りかけをしてあげること、これがいちばんです。