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子どもの主体性を尊重する

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 25

● 家族のあいだで思いやりの心を育てる

いまの子どもたちの多くにもっとも欠けているものは、他人への思いやり、自分のまわりへの思いやりだといわれています。それは、子どもの功利的な競争心をあおる受験体制や、子どもに人間の心のたいせつさを忘れさせる物質主義の社会などに問題があるのでしょう。そんな状況のなかでも、思いやりの心を育てるには、まず、家庭のなかで、家族のなかで、それを育ててやることです。
たとえば、まず、親自身がそれを見せること、実践することにあわせて、子どもに、まわりのこと、家族全体のことについて考えるよう意図的にさせていくことです。父親、母親の仕事のたいへんさを、ごくしぜんに話して聞かせて、両親のことを、子どもなりに思いやるようにさせる。兄弟がいれば、ひとり一人のことを話して聞かせ、やはり思いやるようにさせる。
またテレビのチャンネルのことにしても、どうしたら家族みんなが楽しくテレビを見ることができるかを、子どもにもしんけんに考えさせる。家のなかでの仕事の分担のことや、休日の家族みんなの楽しいすごし方や、みんながよろこぶ料理のことなどについても、誠実に意見を求めて、つねに、自分本位ではなく、全体のなかで物事を考えるようにさせていく。
つまり、これを裏側からいえば、いつもいつも子どものいうなりにならないこと、そして、親の命令どおりに子どもを動かそうとしないこと。たとえ小さな子どもに対してでも、可能なかぎり、親の考えをあたたかく伝えて、そのうえで、子どもの考えにも耳をかたむけること。ひと口でいえば、[子ども主体性を尊重する]ことが、たいせつではないでしょうか。

投稿日:2007年03月05日(月) 10:02

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)