こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 24
● 子どもの努力に評価を与えましょう
無気力な子どもに共通するものがあります。それは、子どもの成績の結果ばかりを気にする母親の存在です。「こんな成績じゃダメじゃないの」 「こんな点数をとってきてダメじゃないの」 と。こんな叱られかたをした子どもは、その子なりに努力します。しかし、努力したからといって、かならずしもよい点数がとれるとはかぎりません。むしろ、努力しても、むくわれない場合がすくなくありません。
こんなとき、あいかわらず結果だけに目を向けて、ダメじゃないの、ダメじゃないのと、言いつづけられては心に傷を負います。わが子が、わが子なりにどんなに努力したか、どんなにがんばったかについて、ぜひ目を向けてあげてください。心をくばってやらず、ただただ、結果だけで、子どもを評価する母親であってはなりません。また、努力したことについても 「あなたは、いったいどんな勉強をしたの?」 「いつも、机のまえにすわって、どんな勉強しているの?」 と、小言をいっていませんか。そんなことを続けていると、子どもは、しだいに、努力することをばかばかしく思うようになり、努力することを放棄した無気力な子どもへ、ものごとに立ち向かうことを忘れた、やる気のない子どもへ変身してしまうのです。
子どもが、なにか模型を作ったときも同じです。できあがったものの見てくれが悪ければ 「いったい、なにを作ったのよ」 「あなたは、ほんとうにぶきっちょね」 などと言わず、「よくがんばったわね」 「どこが、いちばんたいへんだった?」 「どんなところ苦心したの?」 と語りかけてやることにより、子どもは作る喜びをみいだし、意欲的な行動力を身につけていくに違いありません。