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劣等感を持たない子に

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 27

● 子どものよいところをほめて克服させる

チビ、デブなどの自分の容姿や自分の能力について、劣等感をいだいている子どもは少なくありません。そして、その劣等感が高じていくと、心に暗い影をおとし、子どもを不幸にします。かといって、劣等感をもたせないようにと、かばうようにして甘やかすことも、けっしてよいことではありません。それではかえって、抵抗力の弱い人間をつくりだしてしまいます。
では、どうするか。その第1は、その劣等感を自分の力ではねかえさせるように、克服させるように、親がはげましていくことがたいせつです。ただしこのとき、わが子をはげますつもりで、同じような立場の子どもをひきあいにだして、少しでも安心させようなどと考えるのはまちがっています。
たとえば、チビの劣等感をもつ子に「○○ちゃんだってチビなのに、あんなにがんばってるでしょ」 と言えば、「だから劣等感をもつことないのよ」 と語りかけているつもりでも、子どもの心には 「チビのぼくをかわいそうに思って、あんなことを言ってる」 というものが残るだけで、劣等感は消えません。
それよりも、たいせつなことは、劣等感をいだいている部分にはふれず、その子の少しでもすぐれた点を見つけだしてやって、それをほめることです。そして、はげましてやることです。自分のすぐれたところに気がつき、それが自分の誇りになっていけば、それまで劣等感を感じていたことなど、いつのまにか忘れ、しぜんに劣等感をのりこえていきます。劣等感は、みちびき方しだいで消え去るものです。

投稿日:2007年03月12日(月) 09:10

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)