こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 27
● 子どものよいところをほめて克服させる
チビ、デブなどの自分の容姿や自分の能力について、劣等感をいだいている子どもは少なくありません。そして、その劣等感が高じていくと、心に暗い影をおとし、子どもを不幸にします。かといって、劣等感をもたせないようにと、かばうようにして甘やかすことも、けっしてよいことではありません。それではかえって、抵抗力の弱い人間をつくりだしてしまいます。
では、どうするか。その第1は、その劣等感を自分の力ではねかえさせるように、克服させるように、親がはげましていくことがたいせつです。ただしこのとき、わが子をはげますつもりで、同じような立場の子どもをひきあいにだして、少しでも安心させようなどと考えるのはまちがっています。
たとえば、チビの劣等感をもつ子に「○○ちゃんだってチビなのに、あんなにがんばってるでしょ」 と言えば、「だから劣等感をもつことないのよ」 と語りかけているつもりでも、子どもの心には 「チビのぼくをかわいそうに思って、あんなことを言ってる」 というものが残るだけで、劣等感は消えません。
それよりも、たいせつなことは、劣等感をいだいている部分にはふれず、その子の少しでもすぐれた点を見つけだしてやって、それをほめることです。そして、はげましてやることです。自分のすぐれたところに気がつき、それが自分の誇りになっていけば、それまで劣等感を感じていたことなど、いつのまにか忘れ、しぜんに劣等感をのりこえていきます。劣等感は、みちびき方しだいで消え去るものです。