こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 30
● 幼児期からの甘やかしは禁物
いまや、子どものいじめが話題にならない日がないほどですが、問題の本質はいじめる側にあるように思えてなりません。それは 「他人への思いやりの心を育てる」 ことを、多くの親が忘れていることにあるような気がするのです。幼児期から、わが子かわいさに、精いっぱい、子どもを甘やかしてはいないでしょうか。
かわいい子どものいうことは、なんでも聞いてあげる。いけない子だなと思うことがあっても、まあまあ、まだ小さい子だからと見のがして、子どものわがままを聞いてあげる。わが子のわがままさに、腹をたてて父親が叱ったときは、母親は 「かわいそうに、まだ、なんにもわからないのに」 と言って、いっしょうけんめいにかばってやる。また、わが子をたいせつにするあまりに、近所の子どもとはあまり遊ばせない。遊ばせるときは、相手の子を家へ呼び、いつもおいしいお菓子でも与え、まず手なずけておいてから、わが子の相手をさせる。
幼児期から、このようにしてわが子を育てていけば、子どもの考えや行動は、自己中心的になり、自分の思うとおりにふるまうと同時に、自分の気にくわないことは排斥するようになってしまいます。また、いつまでも、親の過保護のなかで育てられるために、子どもなりに必要な社交性の育つのがおくれ、やはり、自分の気にくわないものは排斥するようになってしまいます。
いじめの本質は、0歳児のときから、かわいい、かわいいと溺愛してばかりいる親があまりに多くなってしまった点にもあるような気がしてなりません。