こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 14
● 何でも自分でやるようにしむける
のろまな子がいます。ぐずな子がいます。なにをやらせても人よりおそく、お母さんは、いつも、いらいら、はらはらします。
こんな子どもには、意外にも、お母さんに問題があることが多いのです。
いつも手をかしてやっていませんか。なにか、かたづけごとをするときでも、園や学校へ行く準備をするようなときでも、手助けしてやっていませんか。家の手伝いなどでも 「あなたに、やってもらったら、かえって遅くなるわ。いいから、むこうで、あそんでなさい」 と言ったりして、なにもやらせないようにしていませんか。
あとかたづけや、園や学校へ行く準備を、おそくてもよいから、すこしぬけたところがあってもよいからといって、自分でやるようにしむけましょう。家の手伝いも 「のろまでもいいのよ。あわてて失敗するより、いいのよねえ。さあ、これをやってちょうだい」 などと言って、とにかく自分でやらせることです。
子どもは、お母さんに手伝ってもらえばもらうほど、せっかくの練習の場を失ってしまうのです。お母さんに5回手伝ってもらえば5回、その機会を失ってしまいます。家の手伝いを拒否されればされるほど、やはり、練習の場と機会を失ってしまいます。
それだけではありません。のろまな子、ぐずな子といわれつづけているうちに、また、いつまでも、のろまでいるうちに、自分のすることに自信がない子どもになってしまうのです。やがては、友だちに 「のろま」 といじめられて、学校へも行きたがらない子どもにもなってしまったらたいへんです。