こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」15
● 「いらいら・ぶつぶつ・くよくよ病」は子どもに伝染します
いまの世の中は、物はたくさんあっても、なんとなく、いつもいらいらさせられる時代です。空に浮かぶ雲をポカンと見つめるような、虫の声がすだく草むらにたたずんでみるような、雨の音にじっと耳をかたむけてみるような、そんな心のゆとりがなくなってしまっているからでしょう。
でも、どんなにいらいらしても、子どもの前ではそんなそぶりを見せてはいけません。ぐちをいいたくなっても、くよくよしたくても、子どもの前では我慢です。
子どもは、母親の、いらいら、ぶつぶつ、くよくよ病に素直に感染して、学校であった小さなことにも、友だちとのあいだに起こった小さなことにも、いらいら、くよくよして、いつも、ぶつぶついう子になってしまいます。そして、いつも心に不満をいだく子になってしまいます。母親の、いらいら、ぶつぶつ、くよくよ病は、親のかぜが子どもにうつるのと同じように、いいえ、それ以上に根深く悪質に感染するからです。かぜは薬でなおせても、この心の伝染病は、どんな薬をもってしても なおすすべがありません。
子どもは、家ではネコをかぶっていても、学校や外では、自分の気にくわなければ、文句ばかりいうように、勝手なふるまいばかりするように、あるいは、自己を反省せず、人の悪口ばかり口にするようになってしまいます。ふるまいばかりでなく、落ち着いて勉強しないようになってからでは手遅れです。