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不平不満をいわない子に

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」15

● 「いらいら・ぶつぶつ・くよくよ病」は子どもに伝染します

いまの世の中は、物はたくさんあっても、なんとなく、いつもいらいらさせられる時代です。空に浮かぶ雲をポカンと見つめるような、虫の声がすだく草むらにたたずんでみるような、雨の音にじっと耳をかたむけてみるような、そんな心のゆとりがなくなってしまっているからでしょう。
でも、どんなにいらいらしても、子どもの前ではそんなそぶりを見せてはいけません。ぐちをいいたくなっても、くよくよしたくても、子どもの前では我慢です。
子どもは、母親の、いらいら、ぶつぶつ、くよくよ病に素直に感染して、学校であった小さなことにも、友だちとのあいだに起こった小さなことにも、いらいら、くよくよして、いつも、ぶつぶついう子になってしまいます。そして、いつも心に不満をいだく子になってしまいます。母親の、いらいら、ぶつぶつ、くよくよ病は、親のかぜが子どもにうつるのと同じように、いいえ、それ以上に根深く悪質に感染するからです。かぜは薬でなおせても、この心の伝染病は、どんな薬をもってしても なおすすべがありません。
子どもは、家ではネコをかぶっていても、学校や外では、自分の気にくわなければ、文句ばかりいうように、勝手なふるまいばかりするように、あるいは、自己を反省せず、人の悪口ばかり口にするようになってしまいます。ふるまいばかりでなく、落ち着いて勉強しないようになってからでは手遅れです。

投稿日:2007年02月02日(金) 09:11

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)