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親に相談を持ちかける子に

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」16

● 言い聞かせるより聴いてやること

「子どもとのコミュニケーションが、きちんと成り立つための障害の最たるものは、話さないことではなく、聴かないことなのです。子どもが現に語りかけていることを聴けるようになるのは、なかなか、むずかしいものです。子どもの言いまちがいを訂正したり、知識優越者であるように振舞うことを親自身が卒業し、子どもの言葉をさえぎらずに、子どもが胸のうちをさらけだすのを見守るのは、やさしいことではありません。娘が緊急事態だと思ったことを、まわりくどくはあっても熱心に話しているときに、母親が、電話をかけるから、髪を乾かすからなどとにそれをさえぎったとしたら、それは、娘の額に平手打ちをくわせたも同然ではないでしょうか。さらに恐ろしいことに娘は、自分にとってどんなにたいせつな問題でも、母親にはたいしたことではないと、思いこむことになるのです」
以上は、岩波新書の 「10代の子を持つ親の本」 に記されている一文です。この本はアメリカ人が書いたものの翻訳ですが、子をもつ親への警鐘は、アメリカも日本も、なんと共通していることでしょう。
考えてみれば、日本の親は、子どもに言い聞かせる口はバカでかいものをもっています。ところが、子どもの言い分を真剣に聴いてやる耳は小さなものしか持っていません。「父親も母親も、権威を嵩にきた張り子の虎」 が多いのです。子どもは親に、自分を認めてもらいたいのです。言えばしかられそうでも、ほんとうは、親に話したいのです。
親は、人間として尊敬される権威を保ちながら、子どもには人間らしい友であること──これがしつけにのぞむ親の最大の条件のようです。

投稿日:2007年02月05日(月) 09:08

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)