児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  心の子育て論 >  人に信頼される子に

人に信頼される子に

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」17

● 他人への思いやりのたいせつさをしっかり語る

このごろの子どもは、人を疑いすぎます。たとえば、知らない子どもに外で声をかけると、自分たちが2人か3人、あるいは集団のときは話に応じてくれても、ひとりのときは、ほとんど口をきいてくれません。口をきくどころか、こちらが近寄って行くだけで、足早に逃げだす子どももいます。きっと、親から 「外で、知らない人に声をかけられたら、注意するのよ。子どもをだます悪い人が、たくさんいますからね」 と、いましめられているのでしょう。
これは、社会に犯罪が多い現実からすれば、むりもないことかもしれません。しかし、だからといって、あたまから人を疑ってかかることを教えるのは、どんなものでしょうか。
知らない人について行ってはいけないこと、知らない人から物を買ってもらってはいけないこと──などを、守るべきこととして教えておくのは、のぞましいことでしょう。しかし、すべての人への警戒心をうえつけるようなことは、正しいみちびきではありません。
世の中が平和であるためにもっともたいせつなことは、人と人とが信頼しあうということです。人を信頼し、人に信頼されるということから、他人への思いやりが生まれます。人を信頼しない、人に信頼されないところには 「愛」 は生まれません。
わが子に、人を信頼しないようにしむけていながら、その裏で 「人に信頼されるような人間になるのよ」 と言ってきかせているお母さんがいます。これは、むちゃというものです。
社会や人にだまされないようにということは、社会や人を信頼するなということではありません。子どもたちに、信頼とはなにかを、正しく教えることがたいせつではないでしょうか。

投稿日:2007年02月06日(火) 09:27

 <  前の記事 親に相談を持ちかける子に  |  トップページ  |  次の記事 見栄をはるウソをつかせないために  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/456

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)