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見栄をはるウソをつかせないために

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」18

● ウソをつかざるをえなかった子どもの心を理解する

子どもは、子どもどうしのあいだで、よく、うそをつきます。たとえば、友だちが 「わたしピアノ買ってもらったのよ」 と言えば 「わたしも、もうすぐ買ってもらうのよ」 と、ほんとうはそんな予定はないのに、つい言ってしまいます。友だちが 「このまえ行った、わたしのおじいさんのお家、お庭が広くて大きな池もあるのよ」 と言えば、「わたしの、おじいさんのところは、部屋が七つも八つもあって、庭には柿や桃の木がたくさんあるのよ」 などと、ほんとうはつましい家なのに、つい言ってしまいます。
そして、こんなうそは、やがて友だちが家へ遊びにきて 「おばさんのところ、〇〇ちゃんがピアノ買ってもらうって言ってたけど、まだ買わないの?」 などと問われているうちに、すっかり、ばれてしまいます。
しかし、こんなとき、その友だちが帰って行くのを待つようにして 「なぜ、あんなうそをついたの」 などと、頭ごなしに叱らないことです。うそは、たしかに、よくないことです。でも、きびしくとがめるまえに、うそをつかずにいられなかった子どもの心を、妥協ではなく、理解してやろうとすることです。
見栄をはってうそをつくのは、弱い子どもです。また、見栄をはる子どものうそは、子どもなりの願望のあらわれです。
したがって、子どもを正しくみちびくには、うそをつかせたものは何か、わが家のなかに、子どもにうそをつかせるものがあるのではないか──などと、親がふみとどまって考えてみることが、たいせつではないでしょうか。

投稿日:2007年02月07日(水) 09:11

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)