だれにもできる逆説的しつけ法「ダメな子の育てかた(●印))」と、努力を伴う期待型しつけ法「良い子の育てかた(○印)」を考える連載「ダメな子・良い子の育てかた」第14回目。
● わがままな子に育てるには
子どもは3、4歳にもなると、いろいろなことを手伝いたがります。食事の準備、あとかたづけ、おつかいでも「あなたは、そんなことをしなくてもいいの」と言い聞かせ、手伝わせないようにします。もし、手伝わせて失敗でもしたら「だからいったでしょ」「できもしないのに、でしゃばったことするんじゃないの」と、しかってやりましょう。子どもは、人の喜ぶことなどに、手を貸さない人間になってくれます。自分のことだけを考え、人のことなどに無関心な、利己心の強い子にもなります。また、人の喜びを素直に受けとめることのできない人間にもなってくれます。
○ 自分の人生を大切にさせたいなら
子どもに「もっと自分を大切にしなさい」ということがあります。でも、子どもにその真意が伝わっているでしょうか。「自分を大切に」というのは、「かけがえのない自分の人生をしっかり生きよ」「可能性にむかって勇ましく立ちむかえ」ということでしょう。でも、子どもは「冒険などして、けがでもしないように」「親の言う通りにしていれば安全」というように解釈していることがよくあります。自分を大切にすることは、自分を甘やかすことではないことをしっかり教えなくてはなりません。自分の可能性に生きることを知ることは、他人の可能性を尊重する心にもつながり、自分と同じように他人も大切にする心を育むからです。