だれにもできる逆説的しつけ法「ダメな子の育てかた(●印))」と、努力を伴う期待型しつけ法「良い子の育てかた(○印)」を考える連載「ダメな子・良い子の育てかた」第15回目。
● 困難からすぐに逃げだす子にしたいなら
子どもが困っている時は、どうしたら解決できるか、全部教えてやりましょう。また親がすぐ手を貸してあげて、さいごまで手伝ってあげます。友だちとの関係で悩んでいる時は、助言して自分で処理させるのでなく、親が中に入って解決してやることです。人の物をなくしたり、こわしてしまった時は、親が詫びたり、弁償をしてあげます。そうすると子どもは、困難にぶつかったら、すぐ逃げ出す子になってくれます。また、問題に責任を持とうとしない、心の弱い人間にもなってくれます。
○ 物欲に耐える心を育てたいなら
最近の子どもの多くは、親から物を豊かに与えられことになれすぎています。また、心をそそぐべき子どもへの愛を、物に肩がわりさせている親が多くなっています。「与えられすぎ」は、物の価値観を失わせ、我慢する心を失わせ、心を粗末にして物だけを大切にする心を植えつけ、心を楽しもうとせず物と遊ぶことだけを覚えさせます。「みんなが持つものは、必ず自分も持つ」という行為を続けていると、自分というものをも失わせることにもつながります。わが子可愛さに、人と同じものを持たせようとすることの是非を、今一度問い直してみてはいかがでしょう。自分が耐えることを知れば、耐えている者の心を理解するようになってくれます。ただ、子どもに耐えさせるには、親自身も耐えなくてはなりません。