児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  心の子育て論 >  人前できちんと話のできる子に

人前できちんと話のできる子に

これまで15回にわたり、だれにもできる逆説的しつけ法「ダメな子の育てかた(●印))」と、努力を伴う期待型しつけ法「良い子の育てかた(○印)」を併記して連載してきましたが、どうも「ダメな子の育てかた」に違和感をおぼえる方が多くおられるようです。そこで、本日から、こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」についての私見を綴ることにします。

● 親は、話をしている子どもの代弁をしない

「この子は、人まえにでると、だまりんこになってしまう。家では、よく、おしゃべりするのに、内気なのかしら」──こういって、なげかれる、お母さんが少なくありません。
ところが、こんな子どもの場合、そのほとんどは、内気などという性格からくるものではありません。多くは、子どもをとりまく状況が原因になっています。
たとえば、家庭のふんいきの明るさ暗さ、家族の会話の多さ少なさなどが、すくなからず影響しますが、原因としていちばん大きいのは、子どもが人まえで話をしようとしたとき、親が代弁してしまうことがよくあるからです。
子どもが、人まえで人に何かを聞かれて話をはじめます。ところが、まだ十分なことがいえません。お母さんからみれば、おかしなことばかりです。すると、これを見たお母さんは、子どもがいいかけたのをとりあげて、すっかり代弁してしまいますから、子どもは、横でだんまり──これが、よくないのです。
これでは、人から何かを聞かれたとき、何とかしてきちんと答えようとする訓練の場がその子には得られません。だから、いつまでたっても、人まえで、しっかりと話す力がつきません。つまり、なれないから、人まえで話ができないのです。
小さな子どもが、おかしな話しかできないのは、あたりまえです。その子になにかを問いかけたおとなも、子どもばなれした答えなど期待していません。したがって、たとえ、話がトンチンカンであろうと、子どもに、おしまいまで話をさせることです。子どもに自信がつけば、人まえでも、気おくれせず話ができるようになります。

投稿日:2007年01月15日(月) 09:08

 <  前の記事 困難から逃げる子、我慢できない子  |  トップページ  |  次の記事 よい友だち悪い友だち  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/472

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)