こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 2
● 子どもの友だちを親が選ばない
子どもが、思いがけないような友だちを、家につれてくることがあります。
そんなとき、その友だちがわが子よりも、服装のきたない子、ぎょうぎの悪い子、成績の悪そうな子だと、あとで、わが子に 「あんた、あんな子と遊んでるの?」 「あの子のうち、なにやってるの?」 「あの子、勉強はできるの?」 などと問いつめて、やはり、なんとなく気にくわない子だったら 「ダメよ、あんな子と、あまり仲よくしちゃ。もっと、ちゃんとした子がたくさんいるでしょ」 と注意する母親をよくみかけます。
また逆に、つれてきた友だちがいかにも良家の坊ちゃんらしい子、勉強のできそうな子だったら、あとで 「あの子、きっと、りっぱなお家に住んでるんでしょ」 「お父さん、会社でえらいんじゃない?」 などと言って、わが子が、その子と仲よしなことを自分のことのように喜ぶのも、根は同じです。
子どもはいつのまにか、服装で、勉強ができるかどうかで、家がお金もちかどうかで、父親がどんな職業かで、友だちを選ぶようになります。学校や外では、いろいろな友だちと遊んでいても、それを隠して、家には親の喜びそうな友だちだけをつれてくるようになってしまいます。また、よい友だち、悪い友だちを、心よりも、物と成績ではかるようになり、ひいては、自分よりも物的条件にめぐまれない子をけいべつするような、心の貧しい人間になってしまいます。
「友だち、みんないい子ね。どんな子とも同じように仲よくしようね」 などと、おおらかな態度で子どもに接してあげたいものです。