こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 5
● 子どもへの感謝の気持ちは言葉だけで十分
子どもは5、6歳児にもなると、かんたんなことだったら、お使いをしてくれるようになります。また、母親の仕事を助けるのを、喜ぶようになってくれますが、お使いをたのむときなど 「ごほうびをあげるから。行ってきてね」 「あなたも、お菓子を買っていいから行ってきてね」 と言って、おだちんをやることは慎まなくてはいけません。また、お使いに行くときに渡さなくても、帰ってきてもごほうびと言って、おだちんをやるくせをつけないことです。
「お使いしてきてくれると、お母さん助かるのだけどなあ」 「お使いしてくれるの、えらいわねえ」 「ちゃんと、お使いができて、えらいわねえ」 「あなたは、もう、こんなことがちゃんとできるのね、お母さん、びっくりしちゃった」 などと、あたたかい言葉をかけることで十分です。
お使いをすれば、おだちんをもらえる子どもは、そのことから、たとえ喜んでお使いをするようになっても、人のためになにかをするときには、ひそかに報酬を期待したり、求めるようになります。そして、自分を犠牲にして人のためにつくすことなど、考えつきもしない子になってしまいます。それだけではありません。みだりに買い食いすることや、平気でむだづかいすることや、お金をそまつにすることを、いつのまにか覚えてしまいます。
とにかく、お金にかぎらず、子どもへの感謝のしるしには物でむくいるようなことをしないようにしましょう。心で感謝し感謝されることの美しさを、すっかり忘れてしまうからです。