こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 6
● 子どもといっしょに空想を楽しむ
子どもは4、5歳になると、人間には、目に見える顔かたちのほかに 「心」 というものがあるのだなということを、なんとなく感じるようになってきます。そして、人間にだけではなく、動物や植物、物にも 「心」 があるように思うようになり、やがて、その心の世界をひろげて、空想を楽しむようになります。
おとなが考えると、すこしバカバカしいようなことを考えたり、話しかけてきたりしたとき、あたまから 「バカなことを考えるもんじゃないの」 「そんなことがあるもんですか」 などと、つめたくあしらう親をよく見かけます。「でたらめいうんじゃありません」 と、しかるのはもってのほか、空想と 「うそ」 をごっちゃにして 「うそはいけません」 と言うなど最悪です。
「そう、そんなことを考えたの?」「まぁ、ステキなことを考えたのね」 「それからどうなるの」 などと、話をあわせてみてはいかがでしょうか。子どもが空想しながら遊んでいるときは 「お母さんも、なかまにいれてもらおうかな」 などと、いっしょに楽しんでみるのもよいでしょう。
空想は人間の可能性を生みだすうえにたいせつなものなのに、空想をバカにすると、子どもは夢をふくらませることはやめて、目先のことばかりを考えるようになってしまいます。そのうえ、話したいことを話さないでいるうちに、無口なだまりん坊になったりします。道にアリがはっていたら、アリに話しかけてアリと遊ぶのではなく、アリを足でふみつぶして喜ぶようになったりするのは、とても悲しいことです。