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放任主義はほったらかしではない

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 7

● 子どもの考えや意見を尊重する

放任主義という言葉があります。そして、一般的には、親が育児や子どもの教育に熱心でないことに、また、子どもにまったく手出し口出ししないことに使われます。でも、こんな解釈は、まちがいです。手出し口出ししない、まるで野放し状態には、主義などというものはありません。たんなるほったらかしです。
ほんとうの放任主義というのは、各自の自由にまかせて干渉しない方針ではあっても、けっしてほったらかしではないのです。親みずからが、わが子への過干渉、過保護をいましめ、子どもを信頼して、子ども自身の判断と行動をたいせつにしてやりながら子どもを見守るのが、いつわりのない放任主義です。つまり、放任主義は、子どもの考えや意見を尊重するのが基本ですから、親が信頼してやれるような「子どもの考え」が存在しなければなりません。そういう子どもの存在するところに、はじめて放任主義が成立するのです。
したがって、非行少年のいる家をさして、単純に「あの家は放任主義だから」というのはまちがいなのです。もし子ども野放しの家庭なら「あの家の親は、子どもをまるで、ほったらかしだから」というべきでしょう。
「主義」とは「つねに守る考えや方針」のことです。だから、ほんとうの放任主義は、たいへんむずかしいことです。まやかしでない放任主義は、ぜひ実践したいものです。成功すれば、子どもは必ず主体的に生きる人間になってくれます。とにかく良い子に育てるには、放任主義をはきちがえないことがたいせつでしょう。

投稿日:2007年01月23日(火) 09:15

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)