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規格サイズ思考の子どもにしないために

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 9

● 自由にのびのびと書かせよう

幼児にクレヨンや鉛筆を持たせると、ところかまわず、思いっきり書きなぐろうとします。白い紙を与えると、紙いっぱいに書きちらして、しまいには絵や線が紙からはみだして、テーブルやたたみにまで、のびていきます。
さあ、このとき 「あらあら、この紙の中に書かなきやダメよ」 と叱っていませんか。せっかく書いた人の絵の手や足が、紙のなかに書ききれずに切れてしまっているようなときは 「この紙のなかに、ちゃんと書かなきやダメよ」 「紙のまん中に、じょうずに書かなきやダメよ」 などと、言いいがちです。
そんなときは、もっと大きな紙を与えてあげてほしいものです。いろいろな大きさの紙を用意して、子どもに自由にえらばせることもよいでしょう。いつもいつも、同じ大きさの紙を与えて 「はい、これにちゃんと書きましょうね」 とやってしまうと、子どもは、いつのまにか、自由にのびのびと書くことも、創造性をのばしていくことも忘れてしまいます。いつも規格サイズの紙に規格品の絵を書くうちに、その絵と同じように、こぢんまりとした規格サイズ思考の人間へと育ってしまうからです。
規格サイズの紙ばかりを与え、子どもの自由奔放な絵に 「あらあら、ちょっとおかしいわね」 と顔をしかめ、子どもの手に親の手をそえてやるようにして 「ほら、こうしたほうがいいでしょ」 と形のととのった絵ばかり書かせて満足している親が、何と多いことでしょう。これでは、子どもに絵を書くことへの、ほんとうの興味が芽生えるわけがありません。

投稿日:2007年01月25日(木) 09:08

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)