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イメージを大きくふくらませる子に

読書したり、本を読んでもらったりすると、どのようなことが展開するのかを少し掘り下げて考えてみましょう。読んだり聞いたりしたその言葉から、人は独自のイメージを創りあげます。さまざまな体験をもとにしたイメージです。幼児はその体験が少ないので、さし絵が必要になります。絵本の1シーンを見せ、次のシーンを思い浮かべることを容易にするためです。そのうち文字や言葉だけで、自由に想像することができるようになるわけですが、これはくりかえしの訓練をしないとむずかしい作業です。子どもの成長にあわせ、あきさせない工夫をしながら、段階的にすすめていく工夫をしてみてください。

何をいおうとテレビは、イメージをそのまま見せてしまいますから、このイメージ力が育ちません。私は、子どもにテレビを見せるなというつもりはありません。テレビ文化のおかげで、どんなに子どもの世界は豊かになったか、はかりしれないものがあるからです。しかし、テレビの世界とは別に、本の世界という、まことに奥深い、面白い世界があることを幼児期に是非体験させて欲しいのです。相手を思いやれるやさしさ、やつけられた気持ちをイメージできる子が増えれば、陰湿ないじめは今よりずっと少なくなるにちがいありません。

ラジオを聞くことも、読書と似た体験をすることになりました。まだ私が小学生のころ、NHKラジオで夕方放送していた「白鳥の騎士」「笛吹童子」「紅孔雀」といった15分ほどの放送劇に夢中になっていたことがありました。音が時折消えかかる受信機のスピーカーにかじりつくように、ひとつの言葉も聞き漏らすまいと集中していました。ひとつの話は1年間続いていたはずですから、丸3年間は欠かさずに聞いたはずです。ある時、近くの映画館で「笛吹童子」が上映されることになりました。親にねだって、見に行かせてもらいました。感想は、何とおそまつな映画なのだろうと、がっかりした気持ちをいまだに覚えています。1年間積み重ねてきた私のイメージに、映画はとてもかなわなかったのです。(以下次回)

投稿日:2006年12月12日(火) 09:28

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)