ごく最近も、大きくふくらんだイメージ体験をしました。今年の2月ごろ、話題になっていた「ダビンチコード」を読んだのです。キリスト教の世界を良く知らない日本人にはかなり骨の折れる作品だなと思いながらも、展開するストーリーの面白さにグイグイ引きつけられて10日ほどで読破しました。5月に映画が公開されたのは知っていましたが、あまり見に行きたい気になれませんでした。
その後、ダビンチに関する本を数冊読み、聖書の勉強もし、11月のDVD発売後すぐに購入して早速観てみました。感想は、やはりがっかりでした。本でイメージしていた世界は、相当深く大きなものでした。ところが、映像のそれは、たしかにストーリーはほぼ原作通りに展開していましたが、2時間程度で表現できる内容はたかが知れています。
一方、原作を読み終えるまでには、おそらく30時間以上も費やしたはずです。しかも、読みながら、どんどんイメージがふくらんで、私なりのダビンチコード像ができあがっていきました。このように、人のイメージする力というのは、映像をはるかに越えるものがあるということです。是非、テレビや映画などの面白さとは別に、イメージをどんどんふくらませることのできる読書の面白さを、子どもの時代に体験させてやってください。
イメージ力(想像力)は、創造力につながり、強い意志力と向上心をはぐくみ、たくましく生きる力を養ってくれるからです。