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「ダメな子・よい子の育て方」 連載開始

とにかく、子どもは親の後姿を見ながら育ちます。親の対応の仕方で、子どもを「ダメにする」ことはじつに簡単です。ところが、「良い子に育てる」には、親は相当努力をしなくてはなりません。
そこで、今回からは、だれにもできる逆説的しつけ論「ダメな子の育てかた(●印))」と、努力を伴う期待型しつけ論「良い子の育てかた(○印)」を併記して綴ることにします。
以前、「月刊 日本読書クラブ」に連載していた「わが子をダメにしたいお母さんへ」「わが子をよい子にしたいお母さんへ」を基に、加筆、訂正しながら進めます。子育てはどうあるべきかを、いっしょに考えてまいりましょう。

● 心のひがんだ子にするには

学校のテストで悪い点数をとってくるたびに、何か失敗をしでかすたびに、「おまえは、ほんとうにダメな子だねぇ、先が思いやられるわ、まったく」と言ってやることです。子どもは期待通りにダメな子になってくれます。ぼくは生まれつきダメなんだ、わたしはやっぱりダメなんだわと思いこむようになり、頭をもたげることにあきらめてしまうからです。勉強がきらいな子になってくれるだけではありません。しだいに、仲間はずれにされ、心のひがんだ子どもにもなってくれます。
こんなことではなまぬるい、もっと早く子どもをダメにしたいときはこう言います。「そんなこともわからないの? 頭が悪いわね、少しバカじゃないの」 子どもはどんどん、ダメでバカになってくれます。

○ 何か買ってほしいとわめく子に

基本的には、子どもに取り合わない、きびしい態度が必要です。子どもがどんなに泣きわめいても、泣きやむまで待つのもよいでしょう。小さい子なら、グイとかかえて連れ去るのもよいでしょう。人前だからそんなことをしてはみっともないと思ってはいけません。泣きわめくのは、子どものひとつの知恵です。どんなに泣きわめいても、必要でないものは買ってもらえないことを、子どもに早くさとらせるべきです。「そのかわり、あれを買ってあげるね」「お家へ帰ったら、あれをしてあげるからね」といってなだめるのもよくありません。泣くことによって、子どもの要求を少しでも通させることになってしまいます。親の毅然とした態度を、こういう時こそ発揮しなくてはなりません。

投稿日:2006年12月14日(木) 09:10

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)