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人を差別する子、話しベタな子

「ダメな子」「良い子」の育てかた 5

● 人を差別することを教えたいのなら

わが子が、貧しい家庭の子や家庭的にめぐまれない子と親しくするのを見たら「あんな子と、おつきあいするのはやめなさい。お父さんは運転手なんでしょ。あなたは、あんな家の子と違うのよ」と言ってあげることです。わが子が体を真っ黒にして働く人たちの姿をテレビで見ていたら、「しっかり勉強しないと、あなたも、あの人たちのようになってしまうわよ。あの人たちは、人間らしい生活なんてしていないの。ああなったらおしまいね」と言いましょう。町を歩いていて、みすぼらしい住宅地を通ったら、「いやぁねぇ、なんてきたないんでしょ。こんなところへ来て遊んだりしたらダメ」と言います。子どもは、生活や身なりの貧しい人を、心のどこかで蔑視し、バカにする子になってくれます。

○ 要領を得ない話をする子や、話のノロマな子に

親に何かを話すとき、要領を得ない話し方をする子がいます。また、そんな時期があります。しかし、そんな時「あなたの言うことは、こういうことなんでしょ」と、先まわりして、子どもの言いたいことを整理してやってはいけません。たとえ、まだるっこくとも、子どもの話し終わることを、待ってやることが大事です。子どもはこんな時こそ、自分の表現能力を育てているのですから。
まだるっこいからといって、話をせかせるのもよくありません。子どもがつっかえながら話をしているときは、いっしょうけんめい言葉を探しているのです。いっしょうけんめい頭を働かせているのです。話を先どりしてせかしたりすることを繰り返していると、親には話をしたがらない子を育てることになってしまいます。そして、豊かな表現力の芽をつんでしまいます。よく、「ウチの子は作文がダメなのよ」と嘆く母親の声を聞くことがよくありますが、こんなふうに表現力の芽を摘んでいなかったかを反省しなくてはいけません。

投稿日:2006年12月20日(水) 09:34

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)