だれにもできる逆説的しつけ法「ダメな子の育てかた(●印))」と、努力を伴う期待型しつけ法「良い子の育てかた(○印)」を考える連載「ダメな子・良い子の育てかた」第9回目。
● 兄弟愛の乏しい子にしたかったら
子どもへの接しかたに差をつけることです。たとえば同じことをさせたとき、一人にはほめ、もうひとりにはけなします。他人の前で「上の子はちゃんとしてるのに、この子はダメなんですよ」などと言ってあげましょう。兄弟ゲンカをして、ひとりが泣いてきたときは、けんかの原因を問いただすことはやめ、泣いてきた子だけをかばって、なぐさめます。いつも、どちらかの子のほうが悪いことにします。町へ出るとき、他の家をたずねるとき、自分の気に入った子だけを連れて行きましょう。子どもは、兄弟のあいだに、しぜんに溝を感じてくれるようになってくれます。また、子ども同士がにくみあうようにも、差別を受けた側の子は、親をにくむようになってくれます。
○ 子どもに物を大切にさせたいなら
4、5歳にもなったら、自分のものと他人のものとを、区別する習慣をつけてやることが大切でしょう。兄弟みんなのものということにして、みんなで使うというのはほほえましいことです。しかし、これには、その物に対してだれも責任を持たなくてすむという問題点があります。したがって、扱い方も荒くなり、物を大切にしないということにもつながっていきます。そこで、できれば「これはだれのもの」と決めてやることが望ましいでしょう。そして、誰かが使うときは「○○ちゃん貸してね」と言わせます。実際には、それが兄弟共有のものであっても、だれか一人の所有物にしてやること、それも年上の子にかぎることなく、年下の子にも所有権を与えてやります。そうすれば自然に、自分のものと人のものを区別するようにも、人のものを無断で使わないようにも、使ったあとは責任をもって片づけるようにもなってくれます。