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世界を見据える英国

いっぽう、子どもの本の世界一盛んな国である英国に目をやると、マクドナルド・エデュケーショナル社をはじめ、さまざまな出版社がこの種のシリーズを刊行している。ここでも、同じ島国でありながら世界を見据える視野の深さ、国際社会への理解の違いというものを強く感じたものだった。そんな英国でも、マクドナルド社は一歩先んじているようで、幼児向に Places というジャンルがあって、世界の主だった国20ヵ国を1ヵ国1冊で刊行している。さらにこの出版社では、小学校上級以上を対象にした Countries シリーズも刊行していて、このシリーズの一部は、ポプラ社が翻訳出版を開始していた。

当初は、世界の国々をわかりやすく幼児向に紹介したシリーズを構想していたが、何人かの幼児や小学生を持つ親、あるいは先生方と話をしている中で、教育熱心なわが国の情況を考えた時、学習に役立つ工夫をこらす必要性を感じた。その結果、次の5つの特色を打ち出すことにした。

(1) 21世紀に活躍を期待される子どもたちに、世界を見つめる広い視野を育てる。

(2) 世界主要100ヶ国の社会や文化、風土や歴史を、それぞれの国や民族の立場にたって公正な眼でとらえる。

(3) 社会、地理、歴史など、小中学校の教科書に登場する重要テーマを網羅する。

(4) 2000点を超えるイラスト、簡潔な記述など、子どもたちが世界に親しみを感じるためのさまざまな工夫をする。

(5) 国際感覚を身につけるには世界の中の日本をしっかり知る必要があるため、日本の現状を地方別に7冊に分けて明確にとらえる。

投稿日:2005年09月27日(火) 10:29

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)