「ジェット機とロケットとどこがちがうの ?」 おもしろ科学質問箱 12
ゴム風船に空気を入れてふくらませたあと、閉じていた口を開けると、ものすごい勢いで風船は、口と反対の方向へ飛んでいきます。この原理は、次の通りです。
風船の口を閉じているときには、あらゆる方向に同じ圧力がかかっていた中の空気は、口が開くと空気が飛び出し圧力が小さくなります。圧力は小さい方から大きい方に進む性質があるため、口と反対の方向へ向かうわけです。この原理は、ニュートン(いずみ書房のホームページ・オンラインブックで「伝記」を公開中) がいいあらわした「あらゆる作用には、それと等しく逆向きの反作用がある」という自然の運動法則によるものです。
ジェット機は、この風船が飛ぶ原理を応用したようなもので、エンジンの「作用」は、燃料を燃やしてガスを後ろに噴きだすことで、これに等しく逆向きの反作用が、ジェット機を前へおし進めるものです。
この反作用を利用する点では、ロケットもジェット機とおなじです。ただ、ジェットエンジンは燃料を燃やすための酸素を大気(空気)からとりこむのに対して、ロケットは酸素も自分の中に積みこんでいます。つまり、ジェット機のタンクは燃料タンクだけなのに、ロケットには2つのタンクがあって、ひとつは燃料タンク、もうひとつは酸素タンクです。そのため、ロケットは前進するのに空気を必要としないし、空気のうすいところでも、空気のまったくない宇宙空間へ飛び出すことができるのです。