児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  心の子育て論 >  子どもの人格の尊重をいつも心がける

子どもの人格の尊重をいつも心がける

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 60

ある駅の近くでのことです。もうすぐ電車が入るのか、歩いていた人たちが、いっせいに走りはじめ、5歳くらいの女の子の手をひいていた若い母親も、かけだしました。すると、ひきずられるようにしていた女の子の、片方のくつがぬげてしまいました。

これを、うしろから見ていて、きっと、あの母親の口からとびだすにちがいないと思ったのは 「なにしてるの」 という言葉でした。
ところが、この予想は全くはずれました。
「ごめんね。ママが、お家をでるのが、おそかったのね。ママが悪かったのに、走らせたりして、ごめんね。ゆっくり行って、この次の電車に乗りましょう。ごめん、ごめん」 母親は、ひろってきたくつをはかせながら、4度も 「ごめん」 と言ったのです。
これを見ていて、最近の母親も、なかなかすてたものじゃないぞ、と嬉しく思ったものでした。

親は自分の気がせいているとき、あるいは気がいらだっているとき、子どもに 「なにしてるの」 「早くなさい」 「ぐずぐずしないで」 などという言葉を投げかけてしまうことが少なくありません。子どもがころんだときも 「なにしてんの」 と言いがちです。
でも、たいていの場合は、親の身勝手な叱り方です。親に 「急ぎなさい」 とせかされて仕方なく急ぐうちにころんで痛いめにあい、そのうえ 「なにしてんの」 と叱られては、子どもはたまりません。

先の母親のように、子どもの心、子どもの立場、もっといえば子どもの人格を、いつもあたたかく考えていたいものです。

投稿日:2007年11月28日(水) 09:39

 <  前の記事 ヤギとライオン  |  トップページ  |  次の記事 活気あふれる文化都市・クアラルンプール  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/1121

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)