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妥協させない心構えを

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 45

走るのが遅い、野球をやってもドッジポールをやってもうまくいかない、という子どもがいます。
親はそんな子どもを 「いっしょうけんめいがんばりさえすれば、走るのが遅くてもいいんだよ」 「おまえは、スポーツ向きじゃないんだ」 「スポーツがだめなら、ほかのことをがんばればいいんだ」 などと言って、なぐさめることがあります。でも、それは親自身が自分をなぐさめているのかもしれません。

激しい運動をさけなければいけないような、健康上の問題をかかえているのであればしかたがないとしても、そうでない場合は、子どもの身体をきたえさせることは大事なことです。
とくべつなスポーツクラブなどへ入れなくてもきたえる方法は、親の心がけひとつで、いくらでもあります。
「きたえるのがよい」 というのは、運動能力を一定の水準以上に到達させることだけを意味しているわけではありません。
それは、子どもにはじめから 「ぼくは、どうせ遅いのだ」 「ぼくは、どうせ負けるんだ」 とあきらめさせずに、自分と闘わせる場を作るということです。

きたえたからといって、徒競走でいつも最後を走るような子が、1番になるようなことはないかもしれません。しかし、あきらめずに努力して成果があがったとき、子どもは努力することのすばらしさを知るでしょう。また、体を動かすということ自体、楽しいものです。

子どもに興味のないものをおしつけることは望ましいことではありませんが、「できないから」 といって、はじめから妥協を許すのは、自分にうち勝つことを経験する場を失わせることでもあります。いつも心にとめておきたいもののひとつです。

投稿日:2007年07月31日(火) 09:39

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)