もう何年も前から気になっている声が、今年も聞こえます。この声は、6月はじめころから始まって8月頃まで続きます。時間は早朝から午前10時頃まで。けっこう低音なので、玉川上水にでもいるカエルかしらと思っていました。でも、カエルの声をいろいろ調べてみましたが、どうも似た鳴き声をみつけることができません。
1週間ほど前、またこの声が聞こえだしたので、声の主を見つけてみようと100メートルも走ると、人家のあるあたりで、しかも高いところからの声です。これで、カエルじゃなく鳥に違いないと確信しました。
近所の人や、友人知人にも「ホーホー・ツカレタツカレタ、ホーホー・ツカレタ……と鳴く鳥に心当たりがない? 」と、聞いてみましたが、心当たりのある人は見つかりません。
そして3日前、隣の家のテレビのアンテナの上で、それらしき鳥をみつけました。でも、距離があったので、この鳥が鳴いているという確信はもてませんでした。それが一昨日、ついに私の真上の電線に止まって、まさしく「ホーホー ツカレタ ツカレタ……」と鳴く鳥をしっかり見届けました。ハトほどの大きさで、顔がハトより小さめ、鳴くときにくちばしを上げる感じなのです。
すぐにコンピュータで鳥の図鑑を開き、似た鳥がいないかを調べてみました。
じつにたくさんの図鑑のサイトがあります。その中に「ことりのさえずり」という全国の鳥の音を集め、公開しているサイトをみつけました。そこで、あいうえお順にすべてのさえずりを聞き始め、ついにたどりつきました、執念の勝利!(チョット大袈裟かな)
その名は「キジバト」、この鳥に間違いありません。
解説を読むと「デデッボゥ ボウ」と鳴くとあります。そんなはずじゃないなと思い、他を調べてみると「デェーデェーボボー デデーボボ」となっていたり、「ウジャウジャ、アジャアジャ」だったり、「ホットドック ホットドック……」なんていうのもあります。何と人間の耳はいいかげんなのでしょう。でも、遠くから聞くと「ホー ホー」としか聞こえません。「ツカレタ ツカレタ」の部分が「ボゥ」とか「アジャ」になるのであって、すぐ近くで聞くと「ツカレタ ツカレタ」とため息のような鳴き声なのです。
いずれにせよ、ノドにひっかかっていた骨がとれたような、すっきりした気分になりました。