児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  今週のへぇー !? >  世界一気持ちの良い町は 「吉祥寺」 ?!

世界一気持ちの良い町は 「吉祥寺」 ?!

最近、「吉祥寺スタイル―楽しい街の50の秘密」 (文芸春秋社刊)という本が出版されました。 9784163690506.jpg

著者は、一昨年 「下流社会」(光文社新書)という80万部をこえるベストセラーとなった本(「下流社会」は氏の造語で流行語となった)を著わしたマーケティングアナリスト・三浦展氏と、日米の住宅地、街路、ホテル、テーマパークの景観設計を手がけるプランナー・渡和由氏との共著。19年間吉祥寺に住み続ける三浦氏が、都市計画の専門家に協力を求めて、50の視点で面白く分析した「吉祥寺をモデルに、好ましい町とは何かを考えた本」といってよいでしょう。

町を考えるとき、徒歩400m圏、800m圏に何があるか、ひとつのポイントになるそうです。そして、800m、1600m圏にいかに自然が残っているか、また交差点の数といったようなことがらが、都市の分析には大切な要素なのだそうです。

「吉祥寺は駅から徒歩400m圏になんでも揃っている。デパートも住宅も学校も、飲み屋も八百屋も郵便局も公園もある。だから歩いてなんでもできる。[半径400mの街] は、実はアメリカの最新都市計画家がめざしている理想の規模である。400mは時速4キロで歩いて6分。ほぼバス停の1つ分の距離だ。子ども連れでも老人でも、だれでも気軽に歩ける距離だ。吉祥寺は、その半径400mの中に歩きまわりたくなる要素(レストラン、雑貨屋、喫茶店など)が詰まっている。だから楽しいのだ。しかも、その先の半径800mの範囲にも行ってみたくなる要素がある。(神田川、玉川上水、動物園など)。安心して楽しく歩けて、いろいろなものに出会える。歩安感があれば保安官はいらないのである」(同書 50テーマのうちの1つ「ショー店街―店の中と外の境界がない劇場」より一部引用)

当社も吉祥寺に本社(駅より800mメートル圏内) を構えてから早くも16年、会社まで徒歩圏に自宅を移してから7年になるので、井の頭公園を通って吉祥寺の町を歩くことが多く、歩くたびに、なかなかよい街だなと実感はしていました。でも、こういう専門家がその良さを分析してくれると、なぜか自分がほめられているようで、気分はよいものです。

特に駅に隣接した、「まぐろのなかだ屋」「珍来亭」など私のお気に入りの店のある、狭い路地に100軒近くの小さな店がひしめく「ハモニカ横丁」を高く評価しているのもとてもうれしい。ハモニカ横丁をつぶして新しいビルにするという計画は「絶対反対」と思っていただけに、心強い味方が現われたと本書を推薦しまくっています。みなさん、ぜひ近くの本屋で手にとってみてください。

なお、吉祥寺の北口徒歩3分のところに、本日「ヨドバシカメラ」が開店します。近鉄デパートの跡地で、三越・大塚家具が入居していましたが、昨年5月に閉店していました。「ヨドバシカメラ」は、地下1階から地上5階まで、都内では秋葉原についで2番目の規模ということです。6階から8階にはユニクロやタワーレコード、飲食店街が7月6日からオープンするそうで、吉祥寺の人の流れが変わるかもしれません。

投稿日:2007年06月29日(金) 09:45

 <  前の記事 第1次世界大戦のきっかけと終結した日  |  トップページ  |  次の記事 フランス革命を導いた思想家・ルソー  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/924

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)