こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」29
● 過剰な期待や干渉をしない
いまの小学生たちには、きまって1クラスに5人や6人の弱気な子がいるといわれます。それも、かなり勉強はよくできるのに、健康面でもなにも異常はないのに、いつまでも弱気な子がいるといいます。そして、その原因を少しさぐっていくと、教育ママの存在にぶつかることが少なくないようです。つまり、母親の、わが子への過剰な干渉や期待が、いつのまにか、子どもを弱気にしてしまっているというのです。
子どもの成績はけっして悪くはない。しかし母親からは、つねに、もっとよい成績を要求され、「○○ちゃんを見なさい、あんなによくできるじゃないの。あなた、はずかしくないの」 などと叱責される。また、日常生活のなかで、つねに 「こうするのよ」 「こうしなきゃダメよ」 「そんなことじゃダメじゃないの」 などと、言われつづける。問題はここにありそうです。
子どもは、母親の期待に応えることができないでいるうちに、いつも、 不満足感や不安感がつきまとうようになり、それが、劣等感にもなって弱気をひきおこすのです。
したがって、弱気になった子どもへは、過剰な親の期待感を捨てて、子どもを解放してあげ、のびのびした心をとりもどさせることです。これは、けっして進学戦争からの脱落や落伍ではありません。ゆとりの回復です。
とにかく、なんとなく劣等感を抱いたまま、また、自己不信のまま成長していったら、こんなみじめなことはありません。心の安定こそが、ほんとうの力を生みだしていくのですから。