今週も、印象に残ったことをつづってみます。
先日、私の亡き妻の姉にさそわれて、「フラガール」という日本映画を観てきました。彼女たちのいとこが、蒼井優演じるフラガールのモデルだというのと、20年ほど前、子どもたちがまだ小学低学年の頃親子4人で楽しんだ「常磐ハワイアンセンター」(現・スパリゾートハワイアンズ) 開業にまつわる話だというのが、出かけてみようと思ったキッカケでした。あまり期待をしていませんでしたが、見終わった後の率直な感想は、「実に良くできた感銘深い作品」というものでした。
昭和40年前後の常磐炭鉱は、石炭から石油へという時代の波に縮小を余儀なくされ、炭鉱で働く多くの人たちが首切られるなど、危機状況にありました。そんな中、北国の炭鉱町を常夏の楽園に変えようと立ちあがる人がいました。町の少女に腰みのをつけフラダンスをはじめさせようとします。でも、保守的な町の人たちにはとても理解されません。苦労に苦労を重ね、奮闘しながらようやく開業につなげ、成功させるという実話に基づいたストーリーですが、ともすると陳腐になりがちなテーマを、感動的な作品に仕上げた李相日監督や役者たちのがんばりに、拍手をおくりたい気持ちになりました。
日本映画は長い間外国映画に圧倒され続けてきました。それが、昨年度は興行成績が初めて1000億円を越え、総収入の53.2%を占めて外国映画をうわまわったということはマスコミ報道で知っていました。そして、ネットで調べてみてはじめてわかったことですが、そんな躍進する日本映画のなかでも、この「フラガール」が、日本アカデミー賞最優秀作品賞や、キネマ旬報ベスト1に輝いたのをはじめ、報知映画賞・最優秀邦画作品賞・最優秀助演女優賞(蒼井優)など、たくさんの賞に輝いた作品であることに正直ビックリしました。