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幼児の創造性の芽をつんでいませんか

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 22

● 幼児には楽しいことが「善」、つまらないことが「悪」です

幼児である子ども自身にとっての善悪感は、親の考える善悪感、おとなの認識している善悪感とは、まるでちがいます。幼児にとっては、自分が楽しいこと、うれしいことが自分の善であり、楽しくないこと、いやなことが悪です。したがって、親の善悪感を絶対的なものとして、幼児の行動を 「それはいい」 「それはいけません」 と一方的に規制していくことには、大きな疑問が残ります。
もちろん、いけないことを、いけないと感じさせるようにしつけていくことは、たいせつです。しかし、幼児が楽しい、うれしいと思っていることは、どんなことにせよ、その幼児にとっては興味のあることであり、その興味こそ、幼児をのばすもっともたいせつなものであることを、忘れてはなりません。
親が新聞を読んでいると、そばへ寄ってきて手をのばし、その新聞をやぶいてよろこびます。それは、けっしていたずらではありません。新聞をやぶくことが楽しく、おもしろく、そこに、なにかを感じているから、それをしたがるのです。このとき 「いけません」 と叱り、ときにはのばしてきた手をかるくたたいて、その行為を規制したとします。すると、やがて、新聞に手をのばすことはやめるかもしれません。しかし、一方では、音をたてて、いろいろな形に新聞をやぶくことをとおしての、幼児なりの創造の楽しみをうばいとってしまうことになります。このとき、古い新聞を持ってきて 「はい、どうぞ」 と与えてやったらどうでしょう。新聞をやぶくことは悪いことだと気づくまでのあいだ、幼児は、その創造の楽しみを失わずにすみます。
「いけません」 という規制だけが、しつけではありません。

投稿日:2007年02月28日(水) 10:07

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)