だれにもできる逆説的しつけ法「ダメな子の育てかた(●印))」と、努力を伴う期待型しつけ法「良い子の育てかた(○印)」を考える連載「ダメな子・良い子の育てかた」第12回目。
● 子どもの情操を片寄らせたいなら
子どもが通知表をもらってきて、図工、体育、音楽などの成績はあがっていても、国語、算数、理科、社会の成績がさがっていたら「ダメじゃないの」としかってあげます。子どもが「図工や音楽は上がっているのに」と言ったら、「そんなものどうでもいいの。国語や算数が大事でしょ」と言い聞かせることです。図工や音楽の成績があがっていてもほめてやってはいけません。図画にたくさん○をもらっても、同じです。それより「国語や算数はどうなの?」と問いつめます。子どもは「国語や算数、理科、社会は大切だけど、図工や体育や音楽はどうでもいいのだ」と思うようになってくれます。そして、進学に役立つ知識だけ追い求めて、芸術などは愛さない、心にうるおいのない人間になってくれます。
○ 親から見て、短所のある子どもには……
「あんたは、ほんとにグズね」「のろまだね」「あわてんぼうだな」「ほんとに、おしゃべりなんだから」「おせっかい」「きまぐれやさんだな」……このような言葉で、わが子をなじる親が少なくありません。しかしこれは、まちがっています。グズも、あわてんぼうも、おしゃべりも、すべて親の態度と家庭の雰囲気を映し出しているものであり、子どもを責める前に、親自身が反省しなければなりません。生まれたときから、グズで、おしゃべりで、きまぐれで、おせっかいな子なんか一人もいないのですから。