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心にうるおいのない子、短所がめだつ子

だれにもできる逆説的しつけ法「ダメな子の育てかた(●印))」と、努力を伴う期待型しつけ法「良い子の育てかた(○印)」を考える連載「ダメな子・良い子の育てかた」第12回目。

● 子どもの情操を片寄らせたいなら

子どもが通知表をもらってきて、図工、体育、音楽などの成績はあがっていても、国語、算数、理科、社会の成績がさがっていたら「ダメじゃないの」としかってあげます。子どもが「図工や音楽は上がっているのに」と言ったら、「そんなものどうでもいいの。国語や算数が大事でしょ」と言い聞かせることです。図工や音楽の成績があがっていてもほめてやってはいけません。図画にたくさん○をもらっても、同じです。それより「国語や算数はどうなの?」と問いつめます。子どもは「国語や算数、理科、社会は大切だけど、図工や体育や音楽はどうでもいいのだ」と思うようになってくれます。そして、進学に役立つ知識だけ追い求めて、芸術などは愛さない、心にうるおいのない人間になってくれます。

○ 親から見て、短所のある子どもには……

「あんたは、ほんとにグズね」「のろまだね」「あわてんぼうだな」「ほんとに、おしゃべりなんだから」「おせっかい」「きまぐれやさんだな」……このような言葉で、わが子をなじる親が少なくありません。しかしこれは、まちがっています。グズも、あわてんぼうも、おしゃべりも、すべて親の態度と家庭の雰囲気を映し出しているものであり、子どもを責める前に、親自身が反省しなければなりません。生まれたときから、グズで、おしゃべりで、きまぐれで、おせっかいな子なんか一人もいないのですから。

投稿日:2007年01月09日(火) 09:31

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)